クーリングオフ

スマホやモバイルWi-Fiの回線契約にもクーリングオフが適用されることに

スマホ、モバイルWi-Fi 、家庭用のネット接続サービスなどの通信回線契約をめぐっては、トラブルや苦情が相次いでいるのが事実です。
このような状況から、総務省は2015年度中に、契約から8日以内なら利用者が無条件で解約できる「クーリングオフ制度」を、電気通信サービスにも導入する方針を固めました。
制度が改革されることによって、私たち消費者にはどのようなメリットがあるのでしょうか? そもそもなぜ、今まで電気通信サービスにはクーリングオフが適用されなかったのでしょうか? そのあたりを調べてみました。

クーリングオフとは?

クーリングオフは英語で「Cooling Off」と書きます。契約した後に頭を冷やして冷静に考え直す時間を消費者に与え、一定期間内であれば無条件で契約が解除できるといった制度です。
本来は一度契約が成立すると、その契約に拘束されるのが原則です。しかし、訪問販売や電話勧誘など、消費者が冷静に判断できないまま契約してしまいがちな販売方法が増えたことから、消費者保護を目的とするクーリングオフ制度(特定商取引法)が設けられました。
しかし、電気通信サービスに関しては契約のトラブルが多いにも関わらず、電話勧誘や訪問販売で契約した場合であっても、クーリングオフが適用されませんでした。なぜなのでしょうか?

クーリングオフ適用除外だった理由

特定商取引法第26条では、他の法令で消費者の利益を保護することができると認められるものは適用除外されると定められています。そして、電気通信事業法第1条には、電気通信事業は国民の利便の確保を図ることが目的であると書かれています。
つまり、電気通信は消費者の利益を図る、生活に欠かせないサービスであるため、法律上クーリングオフの適用除外とされていました。

クーリングオフ制度が議論されるようになった背景

ここ数年で電気通信の技術は急速に発展し、サービスや販売方法はますます複雑化・多様化してきました。それに伴い、消費者からの苦情や相談は年々増え続け、総務省では2008年から通信サービスのクーリングオフ法制化に向けた議論が始まりました。
通信業界からの反発が大きかったために、なかなか制度化には至りませんでしたが、ようやく2015年度内にクーリングオフ制度の導入が固まりました。
なお、「クーリングオフ」の呼び方はイメージが悪いということから、通信業界に配慮して「初期契約解除ルール」と呼ばれるそうです。

販売形態に関わらず適用される異例の措置

クーリングオフは本来、訪問販売や電話勧誘といった、消費者が冷静に判断できないまま契約してしまいがちな不意打ち的な販売形態に対して契約解除ができる制度です。
しかし、スマホや携帯などの通信回線契約は販売方法が複雑なものが多く、店舗販売であっても消費者が契約内容を十分に理解して契約しているとはいえません。
また、通信エリアなどは実際に利用してみないと十分に把握できないといった特性があることから、総務省では販売形態に関わらずクーリングオフが適用される方向で議論が進んでいます。これは消費者保護を重視した、異例の措置とも言えます。

電気通信事業者の説明義務も強化

通信回線契約は料金体系が複雑で、通信速度の表記なども誤解を招くものが多く、消費者が契約内容を理解しづらいといった事情から、トラブルが多く発生しています。そこで、クーリングオフ制度の導入に合わせて、電気通信事業者の説明義務が強化されることになりました。

説明義務の3つの方向性

① 適合性の原則

高齢者、未成年者、障害者等など、説明に当たって配慮が必要と考えられる利用者に対する説明義務がより強化されることになりました。

② 書面交付義務

契約内容は、原則紙媒体により交付することが制度化されました。

③ 広告表示の適正化

通信速度の表記は現在、最大理論値で表記されるのが一般的です。最大理論値とは理論的に考えられる上限値のことで、実際の速度とかけ離れているのがほとんどです。このようなベストエフォート表示は基本的に禁止されることになりました。

説明義務以外の改善案も

スマホや携帯などの通信回線契約には2年、3年の縛りがあり、契約期間が過ぎると自動更新されます。また、契約更新月以外で解約する場合は、契約解除料(違約金)を支払うことになっています。
このような消費者の意思を無視した自動契約更新や、解約時に違約金が発生する商慣行についても、総務省では見直しが検討されています。また、景品表示法に基づく広告表示の適正化も図られることになりました。

解約時の違約金についてはこちらで説明しています。
»モバイルWi-Fiルーターを解約する際の注意点&各キャリア費用一覧

制度改革でどう変わるか?

クーリングオフ制度の導入は、私たち消費者にとってメリットが多そうですが、1つ注意したいことがあります。クーリングオフが適用されるのは、通信回線契約のみという点です。
つまり、通信回線契約は解除できますが、購入したスマホやモバイルWi-Fi ルーターなどの端末についてはクーリングオフの対象とはなっていません。
つまり、通信回線契約は解除できても、通信できない状態の端末が手元に残り、端末の代金は支払わなければいけないのです。
通常、通信回線契約と端末購入は同時に行うものなので、これではせっかくクーリングオフ制度が導入されても、メリットが少ないように思います。

この問題に対して総務省では、特定の携帯キャリアでしか使えないSIMロックがかかっている端末については、「端末に最初からSIMロックをかけない、もしくは利用者の要求に応じてSIMロックを解除することが適当」とし、SIMロック解除をルール化する方針を打ち出しています。
つまり、別のキャリアで改めて通信回線契約を結べば、購入した端末が活用できるというわけです。

私たち消費者からすれば、端末自体にもクーリングオフを適用して欲しいところですが、通信業界から「端末返品によるコスト負担が大きすぎる」といった激しい反発があり、現時点では見送られています。
大手通信会社では、購入前に電波のつながりやすさが確認できる「お試しサービス」を導入するなど対抗策を打ち出しており、総務省はその結果を見て今後検討していくようです。

まとめ

実際にクーリングオフ制度がスタートするのはもう少し先になりそうですが、今回の法改正は通信業界にとって、大きな変換となることは間違いなさそうです。
今回改めて感じたことは、契約トラブルを避けるためにも、私たち利用者は料金や回線状況をきちんと調べたうえで契約すべきだということです。今後もより多くの正しい情報を集めていきたいと思います。

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